社会(社交)不安症 と ASD
社交不安症とASD(自閉スペクトラム症)
社交不安症(Social Anxiety Disorder:SAD)は、人から評価される可能性のある場面で強い恐怖や不安を感じる状態です。
しかし臨床では、社交不安の相談の中にASD 特性が背景にあるケースが少なくありません。
ASDの特徴
- 社会的コミュニケーションの困難
- 暗黙のルールの理解の難しさ
- 見通しの立たない状況への不安
- 感覚過敏
などの特徴があります。そのため「人が怖い」というより状況理解や予測の困難が不安を引き起こしている場合があります。
ASD と社交不安症の併存
研究では、ASD の人の約40%に不安症が併存すると報告されています。その中でも社交不安症は比較的多い不安症です。
ASD 特性による対人困難と、社交不安症による回避が重なると、
- 社会参加の困難
- 抑うつ
- 強い疲労
につながることがあります。
ASD 背景の社交不安への支援
ASD が関係する場合、治療は次の順序で検討されます。
①環境調整
- 見通しの提示
- 手順の明確化
- 役割の明確化
- 感覚刺激の調整
②不安への心理的支援
- 認知行動療法
- 不安対処スキル
社会的カモフラージュ(masking)
ASD の人は、社会場面で定型発達者のように振る舞おうとする努力 をすることがあります。
これは社会的カモフラージュ(masking)と呼ばれます。
カモフラージュは社会適応に役立つこともありますが、
- 強い疲労
- 不安
- 抑うつ
と関連することも指摘されています。
まとめ
ASDと社交不安症は
- 症状が重なりやすい
- 併存することがある
- 仕組みの組み立てが重要
という特徴があります。
適切な評価と支援により、生活の負担を軽減できる可能性があります。
